141号表紙

No.141(昭和59年6月)

特集:

森林植物園

コナラの大樹の緑蔭で憩う家族連れ。涼しい風が吹き抜ける

フォレストミュージアム(森林展示館)を備えた森林植物園

神戸大学教授 中西 哲
写真
森林植物園マップ
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    世界各国の樹木との出会いが楽しめる森林植物園内にオープンした森林展示館。展示館は「森と私たち」をテーマに、六甲山の森と人とのかかわりをいろいろな角度から紹介している

    写真六甲の植物のルーツを探る「神戸の植物化石展」。展示されている化石の総数は300点にも及び、開館記念行事として8月末まで開催されている
  • 写真"世界の蝶"の展示。このほか六甲の四季の昆虫、野鳥、植物などの生態、観察のポイントを一目でわかるように展示した学習コーナーや、六甲登山のあゆみを紹介したコーナーなどもある
  • 写真ポートピア'81で人気を集めた森の巨人「ジャイアント・セコイア」(樹齢2000年、径5.4m)の展示コーナー。ジャイアント・セコイアは北アメリカ原産の世界最大樹木で、海外へ持ち出された完全な輪切展示としては初めて。このほか、このコーナーではセコイアの仲間の世界的分布や、特に"生きた化石"として有名なメタセコイアの生態を資料によって紹介している
  • 写真六甲山の森の歴史を紹介するコーナー
  • 写真北方の樹木、シラカバの群立する林。手前の木が30数年前に植えた親木で、今ではこのように、太陽をいっぱいに受ける背後の斜面に若いシラカバ林が自生してひろがった。環境さえ合えば次々と子孫をふやしていく、木の生命力のたくましさを感じさせる
  • 写真まるで人間がハサミを入れたように、樹形の美しいニオイヒバ。木の葉をもむと、とてもいい香りがするのでこの名がついた(アメリカ区)
  • 写真トチノキ林。男性的な力強さを感じさせる木で、葉も比較的大きい。実は多少しぶみがあるが、トチもちや、せんべいなど食用にも使われる
  • 写真日本を代表する「針葉樹林区」。こんな"森林浴コース"が園内のあちこちにある
  • 写真落葉の美しいドングリ林。秋は紅葉が美しく、ドングリひろいが楽しめるので子供たちでいっぱいになる
  • 写真林立するメタセコイア。メタセコイアは、200万年ぐらい前までは日本にも生えていたことが化石で知られていた。昭和20年、中国で生きたものが見つかり、一躍「生きた化石植物」として有名になった。この木は中国で見つかったものの子供である
  • 写真欧州原産のキングサリ。黄色いフジのようにクサリ状にたれ下がって咲いている
  • 写真クリスマス・ツリーで知られるヨーロッパトウヒ
  • 写真木の切り株のようなラクウショウの気根(きこん)。ラクウショウは水湿地で生育するため、根に空気をとる役目としてこのような気根を出す。大きなものは高さ2m、直径60cmにもなるという
  • 写真新緑のきれいなカラマツのマツボックリ(球果)
  • 写真アカエゾマツのかわいい雌花
  • 写真北アメリカ産のダイオウショウ(大王松)。"松の王様"にふさわしく、松の中で葉も球果も一番大きい。同園では元気に育っているが一般には風害に弱く移植困難とされている
  • 写真中一里山と奥一里山との境界に立つ「争論(そうろん)の松」(樹齢約150年)中一里山は、入会権(一定地区の住民が一定の山林、原野を共同で使う権利)のある神戸側と山田側との争いが、明治の初めまで約400年にわたって激しく続いた。境界線の目印としてこの木が植えられたもので、枝ぶりの立派な松は今も園内に保存されている
  • 写真「思い出の森」。昭和45年から48年にかけ、来園者約1800人が誕生、入学、就職、結婚記念など、いろいろな思い出として記念植樹した森がこの奥にひろがっている
  • 写真「天津の森」のシダレエンジュ。神戸・天津(中国)友好都市提携10周年を記念して昨年植樹された木で、"延寿"の名のとおり、縁起のよい木として中国ではお祝い事によく使われる。成長は遅いが、長寿で大木になる
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    神戸・シアトル(アメリカ)姉妹都市提携15周年を記念してつくられた「シアトルの森」

    写真芝生の広場で楽しそうに弁当をひらく家族連れやグループ
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    園内のあちこちにある緑陰のベンチで憩う人たち

    写真ユリノキの花。比較的高い所に咲いているのと、保護色のように淡い色合いなのでわかりにくい
  • 写真ユリノキ。英名チューリップ・ツリーの名のとおり、6月上旬から中旬にかけてチューリップのようなきれいな花を咲かせる。市内では街路樹としてよく使われている(「学習の森」ユリノキ広場)
  • 写真森の中の長いすべり台(子供の広場)
  • 写真クリン草の咲き乱れる「学習の森」の"昆虫の谷"。いろいろな昆虫の生態が観察でき、6月中旬ごろからはホタルが飛び交う。正面にそびえるメタセコイアの樹形が美しい。この森では日本の国蝶・オオムラサキの飼育もしており、毎年6月下旬ごろ羽化が見られる
  • 写真「学習の森」ではムギ、コンニャク、除虫菊、ミツマタなど、くらしにつながる身近な植物を栽培しており自由に観察できる
日本の森林動物の代表・ニホンカモシカ(特別天然記念物)。同園には現在5頭いるが、親(ジュン子)の横に座っている赤ちゃんは、森林展示館がオープンした5月26日の朝生まれた。親カモシカのらんらんと光る目、外敵に対していつでも戦えるようなきびしい姿勢に、子供への愛情が感じられる

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  • 写真岩場に住む3頭のニホンカモシカ

野鳥

  • 写真コゲラ。小形のキツツキ。"コンコン"といそがしそうに木を打つ音が園内にこだまする
  • 写真木のまたの水飲み場にやってきたヤマガラ
  • 写真園内の至る所に姿を見せるキジ
  • 写真ルリビタキ(幼鳥)。冬の渡り鳥で、"ナタカクシ"という親しみ深い名をもつくらい、人の近くに寄ってきてなれなれしくする。ナタカクシは、山のきこりのそばに寄ってきて、きこりがこの鳥の相手をするうちに、いつの間にかナタを見失ってしまうところからこの名がついたといわれている
  • 写真サクラの木で卵をだくキジバト
  • 写真シジュウガラ。わが国ではスズメと並ぶポピュラーな鳥で"ツッピー、ツッピー"と鳴く
  • 写真ツグミ。秋になるとシベリア方面から日本へ渡ってくる

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    一面に咲き乱れたシロツメクサ。四つ葉のクローバーをさがしてみませんか

    写真ヒノキ林に咲くシャクナゲ
  • 写真白いてまりのようなオオデマリ。庭園の花木としてよく使われる
  • 写真白雲のようなハクウンボク
  • 写真裏六甲に多く見られるジャコウアゲハ
  • 写真アメリカ原産のシャクナゲ
  • 写真タニウツギが咲き乱れると、ホトトギスの鳴き声が聞こえてくる

森林植物園に咲く四季の主な花

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