204号表紙

No.204(平成1年10月)

特集:

フェスピック神戸大会 友情と熱戦

フェスピック神戸大会 友情と熱戦

深めた友情ふれあいの輪

60万人の観客集めたフェスピック神戸大会
神戸を舞台に、六日間にわたって感動のドラマを繰り広げたフェスピック神戸大会は、計六十万人の観客を集めるなど数多くの思い出を残して九月二十日、閉幕した。
大会には、大会史上最多の四十一か国・地域から千六百五十人の選手・役員が参加、車いすマラソン、陸上競技、競泳、車いすバスケットボールなど十三競技で熱戦を展開したほか、各種の交流の場を通じて、選手同士や障害者と健常者が友情の輪、ふれあいの輪を広げた。また、延ベー万人にのぼるボランティアも会場の運営や介助、通訳などで活躍、スムーズで心温まる大会へ盛り上げた。
大会の期間中、ユニバー記念競技場で燃え続けた聖火は消えたが、火は、市民一人ひとりの心へ受け継がれ、"しあわせの火""友情の火"として、いつまでも灯り続けることだろう。神戸は、身体障害者問題への理解と、障害者スポーツ振興への新しい一歩を踏み出したー。

(左)
各国・地域の選手の入場行進に、フェスピックの小旗を振り、盛んな拍手を送るスタンドの観衆

開会式(ユニバー記念競技場)

広がる感動−一六五〇人が力強く入場行進
フェスピック神戸大会の開会式は九月十五日、ユニバー記念競技場(須磨区緑台)に皇太子殿下をお迎えして開かれた。
市消防音楽隊のファンファーレに続いてマーチングメドレーやマスゲームなどの華やかな公開演技のあと、選手・役員が入場行進。民族衣装をつけた車いす選手、国旗の小旗を振る陽気な選手、スタンドを埋めた約六万人の大観衆の拍手に手を合わせる外国の選手もいる…。最後に、総勢約五百九十人の日本選手団が姿を見せると、開会式のムードは一気に盛り上がった。
大会組織委員会会長の宮崎辰雄神戸市長が「神戸大会が身体障害者スポーツの発展に寄与し、障害者問題への理解と認識を深める一助となり、さらに国際親善の輪を広げることを願っています。」とあいさつした後、皇太子殿下がお言葉を述べられ、フェスピック連盟のハリー・ファン会長が開会を宣言した。
点火、選手宣誓のあと、再び児童・生徒によるマスゲームで婦人団体などによる文化イベントがフィールドいっぱいに展開され、友情の大花火が夜空を彩った。

  • 写真市内の小・中・高生らがフィールドいっぱいに描いたKOBE'89とシンボルマークの人文字
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  • 写真大観衆を魅了した開会式のマスゲーム、4年前のユニバーシアードを上回る規模となった
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    フェスピックテーマソング「愛をこめて」を盲学校、養護学校の生徒たちと合唱する作曲者・加山雄三さん

    写真選手代表、永尾嘉章さんと蒲生明美さんが力強く宣誓、「体をつくり、心をつくり、友をつくり、生きる喜びの輪をさらにひろげ…」
  • 写真バックスタンドで開会式を盛り上げる女子高校生の音楽隊
  • 写真開会式後の選手退場の際、上気した顔でだれ彼なしに握手をし合う選手たち

陸上競技(ユニバー記念競技場)

  • 写真競技の合間のなごやかなひと時
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  • 写真ソウルパラリンピックでも活躍した松井選手の力走
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    競技の記録などを整理する情報処理ボランティア

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  • 写真手話通訳で観客に説明するボランティア(ユニバー記念競技場)
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雨にも負けず
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  • 写真雨の中、雨具や傘をさして競技に見入る観客(ユニバー記念競技場)
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卓球(市立中央体育館)

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柔道(県立文化体育館)

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車いすバスケットボール(神戸ポートアイランドホール)

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  • 写真車いすバスケットは日本が男女そろって"アベック優勝"した。手堅いディフェンスから目のさめるような速攻が効を奏した

バドミントン(県立文化体育館)

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  • 写真バドミントン男子シングルスで優勝したインドネシアのパラマルタ・アイ・ウェイヤン選手。右足が太ももからなく、左足も小さくて短いが、右手と左足をバネに跳び上がってスマッシュ。スピード感あふれる試合運びに、観客席からの拍手は鳴りやまなかった
  • 写真車いす使用者と介添者を乗せて階段を上下できる新型昇降機(神戸ポートアーイランドホール)

サッカー(しあわせの村芝生広場)

  • 写真しあわせの村で外国選手団の役員と楽しそうに話をする小学生
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車いすテニス(しあわせの村テニスコート)

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競泳(ポートアイランドスポーツセンター)

  • 写真選手の出身国・地域や障害区分などを確認するボランティア
  • 写真競泳女子百メートル自由型で金メダルを獲得した蒲生明美選手(22)=須磨区=の力泳ぶり。蒲生さんは百mバタフライ、百m平泳ぎ、二百m個人メドレーでも金メダルを獲得、競泳出場種目完全制覇を成し遂げた
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重量挙(しあわせの村研修館ホール)

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フェンシング(しあわせの村研修館ホール)

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車いすマラソン(神戸第2国際マラソンコース)

市民35万人が沿道で声援
フェスピック神戸大会の呼び物・車いすマラソンは、九月十七日、市役所近くのワラワーロードをスタート・ゴールにして、市内を東西に走る公認コース42・195km(神戸第二国際マラソンコース)で行われた。
レースには、十二か国・地域から男子百三人、女子十一人の計百十四人が参加。男子は日本記録を持つ能本市の山本行文選手(34)が1時間44分42秒、女子は地元の畑中和選手(20)=長田区苅藻通=が2時間19分59秒で卜ップでゴールイン、障害区分ごとに男女九人に金メダルが贈られた。
レース中は気温が三十度近くまで上がり、残暑の厳しいコンディションとなったが、神戸での車いすマラソンの開催は初めてとあって、沿道には三十五万人の市民が詰めかけ、小旗を振りながら力走する選手に声援を送った。
車いすマラソンの世界記禄は1時間38分27秒、日本記録は山本選1時間42分42秒。

  • 写真車いすマラソンで第一位でゴールインした山本行文選手。残暑の厳しい日だったのに、自己の持つ日本記録にあと二分に迫る好記録だった
  • 写真女性陣でトップでゴールインした畑中和選手。勤務する安田信託銀行の同僚たちが作った鉢巻きを頭に締めて力走した
  • 写真厳しい残暑の中、懸命に力走する車いすランナー(中央区雲井通)
  • 写真厳しい暑さの中のレースとあって、選手の頭に水をかけてやるボランティア(兵庫区新開地付近)
  • 写真大人も子供も、車いすの人も…。選手たちに声援を送る沿道の市民
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  • 写真芦屋市内の折り返し地点。先導の白バイの後ろをトップで走るのは総合優勝した山本行文選手
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ローンボウルス(しあわせの村ローンボウルス場)

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  • 写真ローンボウルス・射撃・アーチェリー競技でロストアロ一探しや記録の測定などに活躍するボランティア
  • 写真移動式スロープを利用して車いすに乗つたまま送迎バスに乗り込む選手(しあわせの村で)

射撃(しあわせの村屋内運動場)

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アーチェリー(しあわせの村運動広場)

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デモンストレーション競技

  • 写真盲人卓球(市立中央体育館)
  • 写真盲人野球(神戸ボートアイランドホール北側グラウンド)
  • 写真グラウンドゴルフ(しあわせの村芝生広場)
  • 写真ツインバスケットボール(神戸ポートアイランドホール)
  • 写真ローリングバレー(アシックスアトリウム)
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フェスピック神戸大会の開会式で行進する日本選手団。深紅のウエアーがひと際グラウンドに映え、大観衆の振る小旗に迎えられ入場行進の最後を飾った(9月15日、ユニバー記念競技場)

北京での再会誓う

 閉会式は九月二十日、神戸ポートアイランドホールで行われ、六日間にわたる熱戦と友情・ふれあいの幕を閉じた。
式には選手・役員、市民ら約千人が参加、フェスピック連盟のハリー・ファン会長が閉会を宣言したあと、ぺギー葉山さんらのジャズコンサ−トや神戸市混声合唱団のコーラスなどが繰り広げられ、宮崎辰雄大会組織委員会会長(神戸市長)から次期開催地の中国・北京市の張百発副市長に連盟旗が渡された。
宮崎会長が「神戸で生まれた新しい友情と思い出を持ち帰り、友情とふれあいの輪を広げていただきたい。大会を通じてはぐくまれた市民福祉の心をさらに大きく発展させます」とお礼のあいさつ。選手代表・川田真貴子さんが「この大会を心の支えとして、日々の生活に努力し、次期開催地の北京で、心身ともに成長した皆さんと再びお会いできると確信しています」と、惜別の言葉を述べると、会場のオーロラビジョンに映った聖火が静かに消えた。
 閉会式に続いて、近くの市民広場でさよならパーティーが開かれた。

閉会式(神戸ポートアイランドホール)
  • 写真宮崎辰雄大会組織委員会会長(右)からフェスピック連盟旗がハリー・ファン会長(中央)に。左は次期開催地の中国・北京市の張百発副市長
  • 写真閉会式会場
  • 写真閉会式に出席した日本選手団
  • 写真閉会式で拍手する外国人選手
交流の輪
  • 写真選手村となったホテルでの交流行事で談笑する選手
  • 写真交流行事の舞台で阿波踊りの踊り手と一緒になって興じる外国人選手(神戸ポートピアホテル)

友情の思い出いつまでも

「この思い出を心の支えに、これからも強く生きます」ー。フェスピック神戸大会が閉幕した9月20日、ポートアイランドの市民広場で開かれた"さよならパーティ"会場は、別れを惜しむ車いすの選手やボランティアら関係者の輪で埋まり、交歓を繰り広げた。
スポーツを通じて友達になった選手たちは口々に、「神戸大会は素晴らしかった。スポーツをやっていて良かった」、「神戸での友情の思い出はいつまでも忘れない!」と語り、肩を抱き合い、歌をうたい、サンバを踊り続けた。

さよならパーティ(市民広場)
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  • 写真深まる交流の輪ー。フェスピック神戸大会前夜祭の踊りの輪に入って、ボランティアとともに楽しむ外国人選手(9月14日、メリケンパーク)
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